2019年10月21日

在日韓国人だからどーした2 ~ROOKIESの山椒魚の件でふと思う~

『なんたる失策であることか!
 彼は岩屋の中を 許されるかぎり広く泳ぎまわってみようとした
 人々は思いぞ屈せし場合
 部屋の中をしばしばこんな具合に歩き回るものである
 けれど山椒魚のすみかは 泳ぎまわるべく あまりに広くなかった
 彼は体を 前後左右に動かすことができただけである
 その結果 岩屋の壁は 水あかにまみれて滑らかに感触され
 彼は 彼自信の背中やしっぽや腹に
 ついにこけが生えてしまったと信じた
 彼は深い嘆息をもらしたが
 あたかも一つの決心がついたかのごとく つぶやいた
 「いよいよ出られないというならば
 おれにも相当な考えがあるんだ」
 しかし彼に 何一つとして
 うまい考えがある道理はなかったのである
 岩屋の天井には スギゴケとゼニゴケとが密生して
 ゼニゴケは 緑色のうろこでもって 地所取りの形式で繁殖し
 スギゴケは 最も細く かつ紅色の花柄の先端に
 可憐な花を咲かせた
 可憐な花は 可憐な実を結び
 それは隠花植物の 種子散布の法則通り
 間もなく 花粉を散らし始めた
 山椒魚は スゴゴケやゼニゴケをながめることを好まなかった
 むしろそれらを疎んじさえした
 スギゴケの花粉は しきりに岩屋の中の水面に散ったので
 彼は自分のすみかの水が 汚れてしまうと信じたからである
 あまつさえ 岩や天井のくぼみには
 一群れずつのカビさえも生えた
 カビはなんと愚かな習性を持っていたことであろう
 常に消えたり生えたりして
 絶対に繁殖してゆこうとする意志はないかのようであった
 山椒魚は 岩屋の出入口に顔をくっつけて
 岩屋の外の光景をながめることを好んだのである
 ほの暗い場所から 明るい場所をのぞき見することは
 これは興味深いことではないか
 そして 小さい窓からのぞき見するときほど
 常に多くの物を見ることはできないのである』


森田まさのりの漫画『ROOKIES』では、井伏鱒二の山椒魚のこのくだりの後、主人公である川藤幸一の解釈
「つまり、岩屋の外には明るい未来があるのに、
 穴から出られない状況に自分を持っていった山椒魚の愚かさ、
 しかもその状況を変えようともせず、
 穴の中で、小さな喜びに浸るしかない。
 そんな山椒魚の、孤独な物語なんだ。」




この動画と『在日韓国人だからどーした』という僕自身の記事を読み返して、もう一度ちょっとこのくだりを反芻してみた。
幕末もそうだけど、今のようなイノベーションの時代は、由緒正しさなんて何の利点にもならない。
むしろそういう人間ほど、時代に合わなくなった面倒なしがらみが多くて、やっていくには結構きついと思い始めてる。

逆をいえば、孫正義氏は日本領の朝鮮を渡って佐賀に住んだ在日韓国人二世だけど、差別に苦しみながらもそういったしがらみがないからこそ、存分に力を発揮して今日に至ったのではないかと思い始めてる。

勝海舟や榎本武揚、前島密や渋沢栄一もそう。
由緒正しい家柄ではなく、家族が幕臣の身分を金で買った(武揚は父親が庄屋、海舟は曽祖父が鍼灸師。前者は父の代から、後者は祖父の代から幕臣の家に入ってる)からこそ、しがらみなく活躍できたんじゃないかと。
『日本郵便の父』と呼ばれた前島密も、越後の農村地主の家の生まれだったのが幕臣になっているし、2021年NHK大河ドラマ『青天を衝け』の主人公・渋沢栄一も、武蔵の農村地主の家の生まれだったのが幕臣の家に養子に迎えられてる。

(これもあって、幕末から明治にかけて日本を動かしたのは、討幕派は『藩の医師や下級武士』、幕府方だと『農村地主』ではないかと僕は思い始めてきてる。ちなみに近藤勇も中の上の農民の生まれ)


今のようなイノベーションの時代において役に立つのは、由緒正しさよりも実力そして、しがらみにこだわらぬ身軽さ。
改めて実感する日々。

こんなこと言っちゃいけないけど、純粋な日本人であることにこだわる人たちは、童謡の人間とネットで徒党を組んで、そんな小さな喜びに浸るしかないんじゃないかと僕は思うけど。
ウシジマの35歳ニートと同じような。
パチスロで3万勝ってコンビニでほしいものを買いまくってる彼と、テレビで彼より若い野球選手が、メジャーに挑戦することによる人間的な成長を楽しみにしているくだりが対照的に描かれていたけど、英訳してみたんで乗っけてみます。



35歳ニート2.jpg
Utsui:It’s hot and deliciooous!
Yes, today, Let’s shout in my Depression Blog by Mr.Utsui again.
The Depression Blog of the 30s garbage: Tweeting by the garbage who parasites to his parents and gets the daily income in cash with temp jobs and slotters.
"Today, I won the pachinko-slot game and got 30,000 yens again.
I’ve bought everything I want in the convienience store!
I’m happy."
The reporter:How is your challenging as the Major leager?
The baseball player:Well.
My challenging as the Major leager is hard of the wall of languages and the difference of the culture.
But if I resolve my impediment, I will be able to grow up as a person.
So I'm fun!
Utusi:Shoot!
"The positive saying by the young sports player that has their future makes me depressing.
My life is far from theirs however I think of,so all wonderful word can't be helpful to mine.
I have done nothing and wasted too many time.
I want to begin something,but I can't really take the first step.
Because I couldn't do yesterday,I can't really think I can do today.
So I will can do nothing tomorrow,I give up.
In this way, steadily, I’ve left all alone.
My residual job must be unstable, heavy and simple job.
I will work slaverly, be torn out, and if I become useless, I will be dumped.
I think no means whatever I do.
More and more impatient I am.
I become more impatient, so my emotion become depressed and my view become narrow.
My anxiety I leave all alone, my anxiety I can’t see the future and my despair.
More and more thinking, I can’t see my exit.
One more step, actually, It’s good for a half step.
I want to step my forward."
(訳
宇津井:うまっからーっ!!
よーし、今日も宇津井様の鬱ブログでぶちまけるぜ!
30代ダメ人間:鬱ブログ
親に寄生しながら人材派遣とスロッターで日銭を稼ぐダメ人間のつぶやき。
“今日もパチスロで3万勝った!
コンビニでほしいもの買いまくり―! 幸せ♡”
リポーター:メジャーリーグはどうですか?
野球選手:そうですねー。
メジャーで挑戦するのは言語の違いや言葉の壁とか大変だけど、目標に向かって障害を乗り越えていけたら人間的に成長できるんで、楽しーっす!
宇津井:ちっ!!
“将来有望な若いスポーツ選手の前向きな発言は、正直へこむ。
どう考えても、俺の生活とはかけ離れていて、どんな素晴らしい言葉も参考にならねえ。
何もしないで無駄に時間を浪費しすぎた。
何かを始めようとしても、その最初の一歩がどうしても踏み出せない。
昨日できなかった俺に、今日の俺ができるとはとても思えない。
だからきっと、明日の俺も何もできないとあきらめる。
こうしてる間に俺はどんどん取り残された。
働き口はどうせ不安定なきつい単純労働。
こき使われて、擦り切れて、使えなくなったら捨てられる。
何をやっても無意味に思える。
あせる、あせる。
焦れば気持ちはへこみ、視野が狭くなる。
取り残される不安、先の見えない不安、絶望。
考えれば考えるほど、出口は見えない。
一歩、半歩でもいい。
前に進みたい。”)
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2019年10月08日

孫正義氏の盟友・馬雲氏の演説『貧乏人マインド』を反面教師に自分がすべきことは

中国ネット販売最大手・アリババ集団(阿里巴巴集団)の会長で、孫正義氏の盟友でもある馬雲(マー・ユン。ジャック・マーとも)氏が、こんなスピーチをしている。
(世界長者番付では2019年度20位、アジアに限定すると2位)




"The worst people to serve are the Poor people.
Give them free, they think it’s a trap.
Tell them it’s a small investment, they’ll say can’t earn much.
Tell them to come in big, they’ll say no money.
Tell them try new things, they’ll say no experience.
Tell them it’s traditional business, they’ll say hard to do.
Tell them it’s a new business model, they’ll say it’s MLM.
Tell them to run a shop, they’ll say no freedom.
Tell them run new business, they’ll say no expertise.
They do have somethings in common: They love to ask google, listen to friends who are as hopeless as them,
they think more than an university professor and do less than a blind man.
Just ask them, what can they do.
They won’t be able to answer you.
My conclusion: Instead of your heart beats faster, why not you just act faster a bit; instead of just thinking about it, why not do something about it.
Poor people fail because on one common behaviour: Their Whole Life is About Waiting.”



意訳すると、
『「貧乏人マインド」の人にサービスすることほど不毛なものはない。
彼らに無料のサービスを提供すると、「罠だ」と言う。
彼らに少額投資ができるというと、「それではもうからない」と言う。
彼らに大金が必要というと、「そんな金はない」と言う。
彼らに新しい事業を始めるべきというと、「そんな経験はないからできない」と言う。
彼らに伝統的で安定したビジネスモデルと言うと、「それではやっていけない」と言う。
彼らに新しいビジネスモデルであるというと、「MLMかねずみ講のようなビジネスだろう」と言う。
彼らに店を立ち上げるべきだというと、「そんな自由はない」と言う。
彼らに新しいビジネスを立ち上げるべきだというと、「そんな専門的知識はない」と言う。
彼らの共通の趣味はというと、
グーグルを検索して、同じ希望のない仲間たちと繋がり、傷をなめあうこと。
口先だけは大学教授以上なくせ、行動力は盲人以下。
単刀直入に、「じゃああなたは何ができるの?」と言ったほうがいい。
何も答えられないだろう。
私の結論は、
「胸をときめかせている暇があったら、もうちょっと素早く行動したらどうだ?
ただ考えてばかりいないで、なにか試してみたらどうだ?」
貧乏人マインドの人間が失敗する理由はただ一つ
「ただただ待つだけで、自分では何もしないから」』



「言ってくれるな」とうならされてしまう。
別の言い方をすると、『貧乏人マインド』の人は

・「ああ言えばこう言う、こう言えばああ言う」で、理由付けして自分からは何も行動しない。
・ネットで同様の人間と繋がりたがる(地獄先生ぬ~べ~と同じセリフだし、こんなシビアなセリフ俺が言えた義理じゃないけど『傷をなめあう負け犬と同じ』)。

ドラゴン桜2 動け3.png


勿論、振り返って己はどうかと思う。
少し前、勤め先の病院薬剤部の上司と折り合いが悪くなり、相手の頭蓋を割る前にやめてしまった。
病院の拘束からは逃れても、お金の拘束が待ち構えているのはわかる。

その中で、より効率的にお金を稼ぐ必要に迫られて、株の利食い損切りの練習をしたり、クラウドワークスのライティングに力を入れたりするけど、なかなか生活費を稼ぐまでには至らない。
おまけに『SEO』等、慣れない言葉(ウェブライティングでは常識の部類だが)が出てきて苦戦する羽目に。

それでも何とか稼ぎたくて、必死に食らいつき(相手に切られないのが不思議だが)、なおかつジム・ロジャース氏の『日本への警告』を真に受けて、中国語を学ぼうとしたり、韓国の株を買ったり。
   


とにかく苦戦が続くが、とにかく動くのみ。
年末にホノルルマラソンに行くことにもなったけど(ほとんど観光メインだが)、とにかく考える前に動け!!






じゃ、またまたウシジマのモノローグを英訳してみましょう。
35歳ニート.jpg

“I often think when I get up in the morning that:
My depression emosion will be gone if I spend today this day effectively.
Until now, I've been lazy day by day,
so I give reason that I will can do nothing, before all action,
and I give up and can do nothing.
But I can't bear to my none and boring times.
If I can do so, I want to live this one day hard too.
With this thinking, I escape to the pachinko-slot shop.
Depressed.”
(原文:朝、起きた時、ふと、思うことがある。
もしも、今日一日を有効に使えたら、このもやもやも吹き飛ぶと。
俺は今まで、一日ずつ怠けてきたから、
今日もどうせ何もできないと、行動の前に理由をつけてあきらめて、何もできない。
でも、何もない退屈な時間には耐えられない。
できることなら俺だって、一日を精いっぱい生きてみたい
と、思いつつ、今日もパチスロ屋に逃げ込む俺。
鬱)
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2019年06月09日

人や社会の中にいてこその人間

何とか精神的不安定さが残ったまま、病院薬剤師を続けている自身の近況を話したかったけど、別の話。


2019年5月29日に、川崎多摩区登戸において通り魔事件が発生し、2人が死亡し、18人が負傷した。
奇しくもこの時期は通り魔事件が多発しやすく、18年前に宅間守によって附属池田小事件が引き起こされたほか、2008年には加藤智大による秋葉原通り魔事件、去年には小島一朗による新幹線通り魔事件が起きている。

ただただ冥福を祈るしかない。


これによってテレビやネットで『自分一人で死ね』というコメントがにぎわせる一方、NPO法人の藤田孝典氏が『そういう言は控えてほしい。それよりも困っていたら社会は手を差し伸べてくれるという事を強調すべきだ』というコメントを発信し、議論を呼んでいる。
そういえば先ほど述べた宅間守は、法廷で口笛、あくび、暴言(「あの世で子供たちをしばいたる」「幼稚園ならもっと殺せた」)などの言動をとった挙句、傍聴席から「はよう死ね」「一人で死ね」と罵られながら退廷となり、本人のいない中で死刑判決が出されたという。

『自分一人で死ね』といわれても、精神科医の片岡珠美氏曰く、ただでさえ通り魔犯は他罰的、
つまり

「物事がうまくいかないとすべて人のせいにする人間」

であることが多い。
ニートのワイ.jpg
モノローグ.jpg
『自己評価高すぎ。そういった人間は親の敷いたレールから外れても一人じゃ歩けず、レールのすぐ横を文句言いながら歩くしかない』

と書かれていた気がする。
僕自身はこれが、責任逃れの最たるものと考えるようになってきている。『成功しても失敗しても責任は全部自分一人にある、ぐらいの覚悟でないと成功しない』とは僭越ながら以前書いたか
宅間も父曰くそんな人間だったというし、獄中手記にも『あんな親からできていたら、こうなりまっせといいたい。ワシが悪いんじゃない、すべて親が悪いのだ』と書いているようだ。


『人や社会が手を差し伸べてくれる』といわれても、引っかかる部分がある。
それは
『当事者自身が、傷つくのを恐れて人とかかわるのを嫌がる傾向が強くないか』

ということ。
僕自身の記事で書いたが、引きこもりの傾向として
1.根拠ない自信、万能感が強く、プライドが高い
2.逆をいえばプライドしかなく、傷つくのを恐れて人とかかわるのを嫌がる

ウシジマの35歳ニートではないが、
「負担やストレスを感じるくらいなら一人がいい。楽だから」

というわけだ。
闇金ウシジマくん フリーターくん3.jpg
(シバトラのガソリン男の話でも、進学校で落ちこぼれ不登校になった少年の、傲慢と卑屈という互いに矛盾した思いが生々しく描かれている)
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『8050問題』つまり引きこもりが高齢化し、親との共倒れも懸念される中でのこの事件だ。
かつての宮崎勤や、近年では平野達彦がそうであったように、引きこもりの犯罪は歴代後を絶たない。

2000年に起きた西鉄バスジャック事件の犯人であったネオ麦茶(キャットキラー)も、高校を9日で中退した後、ずっと不登校・ひきこもりで2ちゃんねる(現:5ちゃんねる)に熱中していたという。

先ほど述べた傾向も相まって自分の本当の力と立ち位置が理解できず、プライドばかりが膨れ上がる一方、傷つくのを恐れて極度に人とかかわるのを嫌がるため、余計に社会から遠ざかってさらにプライドだけの肥大に拍車をかける悪循環になっているのでは。
とも以前書いたか。
その屈折した思いが、他罰的な感情を引き立たせ、犯罪に駆り出してしまうのではないかと僕は見ている。



中島敦の『山月記』の李徴を取り上げた時にも話したかもしれないが、逆に言えば人間は

『他人や社会とのかかわりあいの中でしか、自分の本当の力や立ち位置を理解できない』

ということがわかる気がする。

引きこもりであることのコンプレックスから人とかかわるのを拒絶するのであれば、まず引きこもり同士の座談会を開いて、引きこもり同士の苦難と不安、およびそれぞれの力と立ち位置の違いについても知っていき、そこからどう自分が動いていくのかを考えさせるのがいいのではあるまいか。

少なくとも、引きこもりは当事者同士での座談会や交流会を増やせないものかと思うし、そういう活動についてもっと発信してもよいのではなかろうか。


いずれにしても重ね重ね感じるのは、人間は他者とのかかわりを一切拒絶して生きていくこともできないし、まっとうに生きられるようにもできていないということ。

最近は言われなくなったと思うが、昔よく言われていたフレーズ(僕も子供のころ母に口酸っぱく言われていたフレーズ)が、

「『人間』とは、『人の間』と書く」


ちなみに英語の『human』も『hu(土)』+『man(人)』から来ているとか。

聖書にある
「神は土くれ(あるいは塵(アダマ))から男と女を作った」
ことが元となっているといわれているが、見方によっては
『地に足の着く生き方をしてこその人間』

ともとれるのである。
夢遊病みたいに現実逃避をし続けて生きられるものではないと。
僕自身も発達障害持ちでコミュニケーションは苦手で、薬剤師を続けていても限界を感じることはあるが、それでも発達障碍者同士の集いにはなるべく顔を出して、自分の力と立ち位置を確認しているようにはしてる。
(最近集いのメンバーと喧嘩して少し遠ざかっていたけど、元に戻りたいと思うね)
学校では孤立していて、からかわれたりもするが、なんとなく『学校には常に投稿していないといけない』という思いが強く、不登校にならずに済んだ。


いずれにせよ、このような通り魔殺人が今後起こらないことを祈るしかない。


参考文献

藤田孝典 川崎殺傷事件「死にたいなら一人で死ぬべき」という非難は控えてほしい(https://news.yahoo.co.jp/byline/fujitatakanori/20190528-00127666/
posted by SPIRIT at 01:52| Comment(0) | 雑考(その他) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする