2021年04月26日

息子の死を乗り越えて ~NHK大河ドラマ『青天を衝け』第11話『横浜焼き討ち計画』感想~

今回の話のメインは、栄一に待望の長男が生まれるも、麻疹で幼くして亡くしてしまい、そこから
『人間はいつ死ぬかわからない。生きている間に自分の納得することをやりたい』
という思いに至り、志士として家を飛び出す決意をするというものだろうね。
青天を衝け 息子の死.png
医学や栄養学が発達していないこともあって、半分以上が大人になることなく死亡したこの時代。
同時に、当時はやっていた麻疹とコレラを持ち込んだのが、外国人であったこと。

このことで、栄一は外国人への憎悪を募らせると同時に、自分もいつ死ぬかわからない中で、納得できることをしたいという思いに至ったのだと思う。
それが吉田松陰の言っていた『草莽の志士として活躍すること』
もちろんこれから破壊活動もしていく中で、いかにして栄一が攘夷が不可能であることを知り、慶喜にも仕える中で、
『どのように日本を立て直すか』
という考えが成熟していくのだろうけど、まだ若く、単純な破壊行為しか思い浮かばない栄一。
未熟さを感じさせると同時に、今後の成長がどうなるか楽しみ。

青天を衝け 横浜焼き討ち計画.png


方や徳川慶喜は謹慎を解かれ、幼い将軍家茂の後見職になり、実質的に幕府の実権を握ることになるんだけれども。
諸藩からは突き上げられ、天皇家や公家からは『はよ攘夷せよ』と締め上げられる日々。
平岡円四郎の言ったとおり、とんだ貧乏くじだったのは確かかな。

それでも慶喜は『攘夷のためにはまず、天皇家、幕府、雄藩が一致団結する必要がある』と思って公武合体を進めていくのだろうけれど。
その中で円四郎が水戸藩士に暗殺されてしまうわけだから、円四郎も貧乏くじを引いてしまったような気がする。
                   
posted by SPIRIT at 17:19| Comment(0) | 大河ドラマ『青天を衝け』感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年04月21日

栄一と攘夷志士 ~大河ドラマ『青天を衝け』第10話『栄一、志士になる』感想~

今回の話のメインは、再び江戸に出た栄一が、江戸のさびれた様子を目撃し、それを外国人という『夷狄』のせいだということを知り、志士を志すといったところかね。
ただ、栄一の場合は、血気盛んな攘夷志士とは異なり、外国の言いなりな『幕吏』一人が悪いというわけではなく、その背後にある幕府の身分制度がおかしいのではないかという客観性を持っていた。
これが、友達の尾高平七郎と違うところかねえ。
青天を衝け 草莽の志士.png

平七郎は幕吏である老中・安藤信正を討って、自身も切腹して死のうとするも、もう少し広く物事を見ている栄一や尾高惇忠に止められる。
『安藤一人を討ったところで、幕府のシステムは何も変わらない』
と言い切る栄一は的を射ているけど、そういう人間はむしろ少数派で、
青天を衝け わらを斬れない栄一.png
『今は一橋慶喜公に攘夷を働きかけてもらうよう歎願中だ、それまで待て』
という惇忠の持論のほうが多数派だったと思う。
もちろん、それでも血気盛んな攘夷志士たちを止めることはできず、長七郎の友人である攘夷志士が坂下門外の変で安藤を討とうとして返り討ちにあってしまう。
この時の長七郎のもどかしさはつらいものがあっただろう。

青天を衝け 悔しがる長七郎.png

その一方、栄一は妻の千代が妊娠していることを知る。
家を残し子を残すことも『孝』という美徳だったこの時代、非常にうれしかったのは確かだろう。
ともあれ、これから『草莽の尊攘志士』として活躍しようとしていた栄一にとって、それは喜びであったと同時に重荷だとも感じていたと思う。



ようやく栄一が物語のメインになってきたような気がする。
これから破壊活動も行っていくうえで、どのように慶喜に仕え、そしてどのように思想が変遷していくのかが楽しみ。

                   
posted by SPIRIT at 18:11| Comment(0) | 大河ドラマ『青天を衝け』感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年04月14日

天地がひっくり返る ~NHK大河ドラマ『青天を衝け』第9話『栄一と桜田門外の変』感想~

『いい鴨を網で取らずに籠で取り』
そんな風に皮肉られた桜田門外の変であるが、当時市井の人間であった栄一からしても、『井伊の赤鬼』と恐れられた井伊直弼が討ちとられた事件は驚きと同時に快哉を叫ぶ出来事であったのは事実だろう。
栄一はかつて自分に理不尽に接してきた武士も、上官の命令で動いていたことを悟る。
その中で
『おかしいのはこの世の中の体制なのではないか』
という結論に行きつく。
青天を衝け 栄一.png
これが栄一が志士を目指す原動力となっていくわけね。


一方、安政の大獄で徳川慶喜をはじめ志士や公家たちに次々に厳しい処分を下していく井伊直弼。
直弼は慶福(家茂)から直弼の行く末を心配されるも、自分は『徳川を守ってきた井伊家の子孫、忠臣として憎まれ役は自分一人で十分』
それは井伊家の第十四男という『厄介中の厄介』として生まれ、兄たちが早死にしたためにピンチヒッター式に彦根藩主となり、大老になる際もピンチヒッター式だった彼だから言える言葉だろう。
直弼の本心はどこにあったのかはわからないが、本当は直弼は昔の部屋住みとして自分の趣味に熱中していた日々を懐かしがっていたのではなかろうか
(ちなみに安政の大獄で処刑された吉田松陰は、彦根藩主時代の直弼を名君として評価しているとか)
青天を衝け 桜田門外の変.png


そして、直弼の強権に反発した水戸藩士たちによって、直弼は桜田門外で打ち取られてしまう羽目に。
この知らせを聞いた斉昭は快哉を叫ぶどころか『水戸藩が敵持ちになってしまった』ことを嘆き、そのストレスもあって翌年、厠へ出た直後に心筋梗塞で倒れ亡くなるわけだけれども。
斉昭は直弼の死を知った時、どのように史実では思ったかは定かではない。
ただ、烈公と呼ばれていた彼は、純粋に水戸のこと、日本のことを考えていたのは確かであろう。

青天を衝け さらば斉昭.png


大河ドラマ『青天を衝け』はNHKオンデマンドで見ることが可能です。
    
                   
posted by SPIRIT at 14:25| Comment(0) | 大河ドラマ『青天を衝け』感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする